2017 醸し人九平次 テイスティングノート

Origine

彼の岸(ひのきし)

洋ナシや繊細なジャスミンの花の香り、とても魅力的なフェンネルのノートも感じられます。
この素晴らしく複雑な香りは、白胡椒のスパイシーな香りで仕上げられています。

また時間が経てば、より濃厚でスパイシーなノートが漂い始めます。
少し湿った大地のアロマも感じます。

口に含んだ瞬間は鮮烈な若さを感じ、次いで香りの中に認められるものと同じものが、口の中を満たします。
おそろしく長い余韻ですが、山田錦の繊細さははっきりと識別できます。

この日本酒には、独特なアイデンティティを通して、品種、産地の力強さ、濃厚さがはっきりと表現されています。

 

黒田庄に生まれて、

グレープフルーツを主体とする柑橘系、ライチ。
特に柑橘の香りは醸し人九平次の中でも、もっとも強く出ています。

香りから連想されるように、酸も特徴的に出ていて、ミネラリティ。

暑い時期は、10度ほどの温度で楽しむと、その実力が最も感じられそう。

 

協田(きょうでん)

南国を果実を感じさせる爽やかな香りと共に、シソ・木の芽・山椒をはじめとする和のハーブのニュアンスもあります。
グレープルーツの皮のような苦味と収斂味の延長にエレガントな酸が存在しており、それ故、脂の多い料理に対し、相性が良きと考えております。

雄町の最大の特徴である野性味は、お米を40%まで磨く事で旨味と余韻に繋がり、シャープな洗練さと共に、複雑味をより表現出来ていると思います。

 

CAMARUGUEに生まれて、(カマルグにうまれて、)

透明感の中にやや青みがかったような色調。
グレープフルーツにディルなどのハーブや白い花の香り。
さらにはメロンやパイナップルも。
複雑で円やかな味わいで、余韻が23重と感じられ、生き生きとしたミネラルとのバランスが絶妙です。

適温は10-12度で。貝や甲殻類,ウニ,ブイヤベース,魚のグリエなどと相性が良さそう。

Collection

別誂(べつあつらえ)

アンデスメロン、洋ナシ、リンゴの皮の香り。
ほのかにライチや木の葉、ヒノキの香り。
ホワイトチョコの甘みに、ミカンの皮の白い部分の様なほのかな渋みを感じます。

透明感がありながらもクリーミーでリッチ。
土、水、光、風といった天地の趣をうちに秘めながらも、エレガントに仕上がっています。

乳製品やクリームを使ったお料理と好相性。
ワインが苦手とするマリアージュでもあるので、ぜひこの別誂でお試し頂くことをお勧めします。

 

彼の地

グレープフルーツや野イチゴ、アカシアの花の香り。
果実味を強く感じますが、とろりとした甘味とエキゾチックなフレーバーが余韻を残します。

日本酒のような、日本酒でないような。
日本にいるような、どこか異国の地にいるような。
そんな錯覚を覚える、不思議な魅力があります。

長期間の熟成にも向く要素を感じます。
ゆっくりと熟成させ、気長に楽しむことが出来る日本酒です。

 

human(ヒューマン)

梨やピンクグレープフルーツの香り、アニスの香りが調和しています。
とろりとした濃密さを感じますが、フィニッシュへ向けてさらりとした舌触りに変わり、そのまま軽快で切れのいいフィニッシュを向えます。

そのためはっきりとした輪郭と、さわやかさが共存しています。
そのため舌も疲れず、1本を長時間にわたって楽しむことができます。

フレッシュさが微かな苦味を与えており、それがかえって濃密な甘さを引き立て、目を離せない魅力となっています。

Désir et Sauvage

山田錦 EAU DU DÉSIR

グレープフルーツ、青、緑の香り。
白い花の香り。
香りから生命、その瑞々しさを感じることができます。
口に含むと蜂蜜のような甘さが広がり、その後直ぐに柔らかな酸が広がっていきます。 
わずかにミネラルも感じます。

雄町 SAUVAGE

柑橘の香りが主体。

雄町という品種の特徴でもありますが、要素が多くパワフルなため、味のインパクトが強く出ています。
品種の個性をキッチリ引き出していると言えるでしょう。
キリッとした酸に、力強いミネラル。多少の収斂味。
まるで大地の唸りが聞こえてくるようです。

Découverte

rendez-vous(ランデブー)

トロピカルでエキゾチックな果実の香り。
ライチ、パッションフルーツ、バナナ、ライム。
黄色い花や柚子の香りが加わりエキゾチックさが増しています。
酸はフレッシュで、複雑ながら抜けるような透明感があります。
エレガントで余韻が長く感じられます。

voyage(ボヤージ)

桜桃や洋ナシのしっかりした香り、レモンバームや白コショウの香りも。
厚みのある甘みと酸味が調和し、かすかな苦みもあり、ストラクチャーがしっかりしています。
熟成した果実感があり、柔らかい余韻が長く続きます。